試合の見どころ

 1989年~91年日大以来の3連覇をオービックが果たせるか、最大の関心事だろう。今年のオービック攻撃はOLが強力で中央のランプレーに安定感と破壊力があるのが特徴だ。RBは古谷、中西、原とそれぞれ持ち味の異なる3人をローテーションで回せるので、1試合を通じて安定したパフォーマンスが期待できる。特に原はスピード、サイズ、テクニック、パワーとすべてが揃い、今の大学にはいないタイプ。
 JXBでも分かるように、原を自由に走らせるようだと関学は苦しい試合になる。特に甲子園で負傷した主将DE・梶原(4年)が復帰できるかどうかは重要なカギとなる。そして、木下、清水、萩原と一発を計算できるレシーバーもそろっており、この「飛び道具」で手詰まりを打開することができるのも、強みだ。

 関学攻撃は畑がどこまで回復するか。関学OLが押し込むことは厳しい状況なので、今まで以上に畑のランが重要になる。オービック守備フロントの圧力を逆手に取ったシャベル、ドローなどでスローダウンを狙いたい。早いヒッチパスで左右のストレッチも仕込みたい。また、関学のショットガンはQBが普通のチームより浅い位置につくことが多く、中央へのランプレーは通常より早いタイミングで突入する。

 オービック守備がその辺の感覚をつかめないうちに、ワイルドキャットなどを駆使してランプレーでコントロールし、先制点を奪って主導権を握りたいところだ。 キッキングでは関学に一日の長がある。パントリターン、キックオフリターン、パントブロックと、ワンプレーで試合の流れを変える練習と工夫は日本一と言っていい。この辺の対応策をオービック側が十分練らなければ、獲得ヤードで下回りながら関学優位の試合展開も想定できる。

(日刊スポーツ 井藤 融)

 
第67回毎日甲子園ボウル
26th JAPAN X BOWL