2011.01.03
ライスボウルゲームリポート
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  先制点はオービックだった。第1Q2分57秒、WR萩山がQB菅原から右コーナーパスを受け、そのまま49ヤードを駆け抜け、エンドゾーンへ走り込んだ。「立命のCBが内へ入ることはわかっていたので、ある程度成功するとは思っていました」と萩山はスカウティングの成果を強調した。

しかし、その後は逆に立命守備の準備にてこずる。2DLセットから、逆サイドのLBをクロスさせてブリッツさせる運動能力の高さを生かした守備に、中央のランプレーを完封された。

オプションピッチなどで、外に展開するも立命守備に対応され、オービック攻撃はランに関しては試合を通じて明確な答えは出せなかった。QB菅原も「ある程度予想はしていましたが、タックルの正確さ、強さなど想像以上でやられた部分は多かった」と認めざるを得なかった。

しかしオービック守備はさらに苛烈だった。立命攻撃が「サードダウンロングの状況を作らない」(立命大・米倉ヘッドコーチ)ことをプランの狙いとしてきたが、オービックの強固なDLに中央のランプレーが出ない。LBをフリーズさせるプレーにも揺さぶられることなく、立命攻撃が「勝負どころで自分たちのプレーができなかった」(立命大・米倉ヘッドコーチ)ことで、攻撃の連続性がまったく生まれなかった。フレアパスなどで広く左右に展開しようとしても、ケビン・ジャクソン、カール・ノアの両DEがディフレクト。立命QB谷口も「あの高さとスピードは想像以上。リーチも長くてパスポケットがすぐ小さくなってしまう」とうつむいた。結局オービック守備は谷口のキープにある程度進まれたものの、前半5度の3アンドアウトに追い込み無失点。オービックP金親のミスパントから生じたピンチもしのいだ。



第2Q1分26秒、立命は、K松山が40ヤードのFGにトライするも失敗。一方、オービックは菅原がRB古谷拓へフレアなどを連続ヒットさせて前進。これで立命守備のパスカバーを広げた上で、立命守備の深いクッションを読み取り、LBとSFの間にレシーバーを送り込み、QB菅原が確実にパスを通し続けた。最後は菅原がスクランブルを決めて2本目のTD。続く攻撃でもオービック、立命守備のシームを狙い続け、WR清水へのロングパスなどで敵陣深く攻め込み、残り1秒でK金親が21ヤードのFGを決めた。



第3Qに入るとオービックにビッグプレーが生まれる。後半3回目のドライブ、WR古谷晋の74ヤードパントリターン、立命陣1ヤードまで前進。最後はRB古谷拓也がダイブしTD。攻撃で有効な打開策を見いだせない立命大とっては致命的とも言える3本目のTDとなった。


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第4Qに入ってもオービックの堅い守りを崩せない立命大。さらには、オービックDLジャクソンにパスをインターセプトされてしまう。立命大は残り4分でファンブルフォースを誘うも、直後の攻撃をこの日2本目のインターセプトで奪い返され万事休す。ファイナルスコア24対0。オービックはライスボウル史上最多タイとなる4度目の優勝を果たした。オービック・大橋ヘッドコーチは今季、選手の自主性を尊重したチーム作りで結果を出したことに「選手がタフになった」と感慨深げに振り返った。そして立命大は、現在の日本選手権となって1998年(平10)法政大以来史上2度目の完封負け。米倉ヘッドコーチも「手も足も出ませんでした」白旗を揚げるしかなかった。






日刊スポーツ


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