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第74回甲子園ボウル 関西学院大学 早稲田大を下し2年連続30度目の優勝

出場4年連続53回目の関学大と同2年連続6度目の早大の対戦は、関学大が38―28で早大を下し、2年連続史上最多30度目の優勝を果たした。
関学大は第2Q、QB奥野耕世(3年)からWR阿部拓朗(4年)への連続TDパスで流れをつかんだ。第3Q終盤に27―28と早大に逆転を許したが、第4QにRB前田公昭(2年)のランTD、K安藤亘祐(4年)のFGで再びリードを奪い、そのまま逃げ切った。
大会最優秀選手には阿部が、敢闘選手には早大WRブレナン翼(3年)が選ばれた。関学大は1月3日のライスボウル(東京ドーム)に進出、社会人王者と対戦する。
チャックミルズ杯・年間最優秀選手賞は立命館大のQB荒木優也(4年)が獲得した。

 

【第1クオーター】

 コイントスの結果、早大が勝って後半のレシーブを選択。早大のキックオフ、関学大のレシーブで試合開始となった。
関学大はRB三宅がリターンし、自陣24ヤードからの攻撃。ランで2ヤード前進後、QB奥野からの1本目パスは不成功も、次のロングパスが成功し、ファーストダウンを獲得、敵陣まで前進した。さらに次の攻撃では三宅のランなどでファーストダウンを獲得した。

 

 

続く攻撃ではファーストダウン獲得はならなかったが、K安藤の46ヤードFGが成功し、2分58秒、関学大が3点を先制した。
代わって早大の攻撃は自陣25ヤードから。WR小貫へのパスでファーストダウンを獲得した。さらにRB中野のランで3ヤード、RB吉沢のランで1ヤード前進したが、次のパスは不成功に終わり、早大はパントを選択した。

関学大は自陣19ヤードからの攻撃。奥野からWR鈴木へのパスで6ヤード進むと、WR糸川へのパスでファーストダウンを獲得した。RB齋藤のラン、奥野のキープランで前進したが、続くパスは不成功に終わり、関学大はパントとなった。
早大は自陣32ヤードからワイルドキャットフォーメーションを見せたが、失敗。さらに、ロスタックルを食らったが、RB荒巻のランでファーストダウンを獲得した。さらに、関学大DB渡部のパスインターフェアランスの反則でファーストダウンを更新した。敵陣39ヤードの攻撃となり、早大は2度のランプレーは関学大にストップされたが、WRブレナンが中央を突破し、敵陣16ヤードまで迫った。さらに、パスでゴール前2ヤードに迫ったところで、第1Qが終了した。

【第2クオーター】

 早大は残り2ヤードから最初の攻撃はQB吉村がキープ。そのままエンドゾーンに走り込み、TDを決めた。PATキックも決まり、開始7秒で早大が7―3と逆転した。

関学大は自陣36ヤードからの攻撃。RB前田のランで8ヤード進むと、QB奥野のキープランでファーストダウンを獲得した。さらにWR阿部へのパスでファーストダウンを連続更新。敵陣34ヤードまで進んだ。ここからドロープレーも見せてファーストダウンを獲得。敵陣23ヤードまで進み、ショベルパスは不成功に終わったが、奥野から阿部のパスでゴール前7ヤードまで前進。ファーストダウンを更新した。早大のタイムアウトの後、関学大は奥野がTDパスを狙うも不成功。しかし、直後にゴールへ走り込んだ阿部への8ヤードTDパスが成功。PATキックも決まり、4分56秒、関学大が10―7と再びリードを奪った。

 早大の攻撃は自陣25ヤードから。第3ダウンでフォルススタートの反則があり、攻撃権は維持できない。
代わって関学大は自陣30ヤードから。RB三宅が右サイドをすり抜け、8ヤード進むとTE亀井へのパスでファーストダウンを獲得した。さらに奥野から阿部へのパスでファーストダウンを更新。すると三宅が中央を突破し、ゴール前5ヤードに迫った。さらに三宅のランで1ヤード進むと、最後は奥野から阿部への4ヤードTDパスが決まった。キックも成功し、11分35秒、関学大が17―7とリードを10点に広げた。

 

 

 早大は前半残り3分25秒となって、自陣ヤード26ヤードからの攻撃。フォルススタートの反則で後退したが、WR伊藤へのパスでファーストダウンを獲得した。ロスタックル、パス失敗もあったが、ここでQB柴崎が左サイドラインを走るWRブレナンへ55ヤードのTDパスを決めた。PATキックも決まり、13分44秒、早大が7点を返した。得点は関学大の17―14となった。

 

 

 早大がオンサイドキックをミスして、関学大の攻撃は敵陣46ヤードから。奥野が阿部へのパスを決めて、敵陣11ヤードまで前進した。関学大はタイムアウト3つを残し、残り時間は53秒。反則で5ヤード下がったところから、奥野からWR鈴木へのTDパスが決まったかに見えたが、関学大は痛いホールディングの反則を犯してしまう。攻撃は続かず、関学大はFGを選択。残り19秒、K安藤が29ヤードのFGを決め、関学大が20―14とした。

早大は残り19秒で自陣16ヤードからの攻撃となったが、ニーダウン。時計が進み、前半が終了した。

◆関学大・鳥内監督 オフェンスが取れるパスを落とした。ディフェンスはコミュニケーションミスで(TDを)2本取られた。ミスした方が負けるので、後半は自分らの力を出すだけだ。

◆早大・高岡監督 ディフェンスでは、想定した形と違って攻められているので、これをどうやって修正するか。オフェンスは反則が多かったので、それも修正する。

【第3クオーター】

関学大のキックオフ、早大WRブレナンのリターンで試合再開となった。早大は自陣25ヤードからの攻撃で、QB柴崎はランプレーを連続で選択。ノーゲインとなったが、その後、WR伊藤へのパスでファーストダウンを獲得した。しかし、その後のパス、ワイルドキャットフォーメーションでは前進できない。第4ダウンギャンブルも失敗に終わった。

すると、ここで関学大にビッグプレーが飛び出す。敵陣42ヤードからの攻撃でRB前田がエンドゾーン左へ一気に走り込んだ。3分36秒、キックも決まり、関学大が27―14とした。

 離されたくない早大はWRブレナンが敵陣20ヤードまでビッグリターン。そして、ゴール前15ヤードからエンドゾーン右奥へ走り込んだブレナンへ、QB柴崎のTDパスが見事に決まった。キックも成功し、5分8秒、早大が7点を返した。得点は関学大の27―21に変わった。
関学大は自陣25ヤードからの攻撃。QB奥野からWR鈴木へのパスで5ヤード進むと、奥野のキープランでファーストダウンを獲得した。その後、関学大はディレー・オブ・ゲームの反則で5ヤード罰退するも、奥野のパスでファーストダウンを更新。さらにTE小林へのパスでファーストダウンを獲得した。その後、奥野のキープラン、ドロープレーで前進したが、45ヤードFGトライは、不成功に終わった。

 早大は自陣28ヤードからの攻撃。QB柴崎からWRブレナンへのパスでファーストダウンを獲得した。するとRB吉沢が左サイドラインを駆け抜け、ファーストダウンを更新した。ここで関学大は主将のDL寺岡が負傷退場。早大は敵陣に入っての攻撃でファーストダウンを獲得した。すると、この後、柴崎からブレナンへの29ヤードのTDパスが決まった。キックも決まり、14分28秒、早大が28―27と逆転に成功した。
関学大の攻撃は自陣25ヤードから。4ヤード進んだところで第3Qが修了した。

【第4クオーター】

 関学大は自陣29ヤードからの第3ダウンの攻撃。パス不成功に終わり、次はパントとなった。
早大は自陣20ヤードからの攻撃。ワイルドキャットフォーメーションで進むも、第3ダウンでのQB柴崎のパスは関学大にカットされてしまう。
関学大の攻撃は自陣41ヤードから。すると、RB三宅のランでロングゲインし、ファーストダウンを獲得した。

 

 

さらに奥野のショベルパスでファーストダウンを更新。そして、RB前田が走り、ゴール前4ヤードに迫った。さらに奥野のキープランで残り1ヤードとすると、最後は前田がダイブしてTDを決めた。2点コンバージョンのランで三宅がエンドゾーンに走り込み、試合時間残り8分48秒、関学大が35―28と逆転した。
早大はリターナーのブレナンが関学大にタックルされ、自陣15ヤードからの攻撃。ラン、パスが不成功に終わっての第3ダウン。柴崎のロングパスもレシーバーには届かない。

 

 代わって関学大の攻撃は敵陣49ヤードから。するとRB前田がランで中央を走り抜け、ゴール前11ヤードまで前進した。RB三宅のランでさらにゴール前5ヤードへ。ここで関学大K安藤の22ヤードFGが決まり、残り5分26秒、38―28とリードを10点とした。
試合時間残り5分あまりで、早大は自陣18ヤードからの攻撃。QB柴崎のパスが決まり、ファーストダウンを獲得した。ランで5ヤード前進後、パスは失敗したが、RB吉沢のランでファーストダウンを獲得した。さらにランで進むと、早大は第4ダウン残り2ヤードでギャンブル。しかし、柴崎からWRブレナンへのパスは不成功に終わった。

残り2分34秒で関学大は自陣36ヤードからの攻撃。ランプレーでファーストダウンを獲得し、勝利をほぼ手中に収めた。そして、残り試合時間は1分。関学大はボールをキープするプレーで時計を進め、記念すべき30度目の優勝を決めた。

 ◆関学大・鳥内監督 第4Q勝負と思っていた。早大は底力があったが、学生たちがよく頑張ってくれた。前半のコミュニケーション不足を良く修正した。(監督として甲子園ボウルは最後だったが)普通の気持ちだった。自分が学生時代4回負けた甲子園で、指導者として勝たせてもらった。ありがたい。ライスボウルではおもろいことをやろうと思う。頑張ります。

◆関学大主将DL寺岡芳樹 しんどい試合だったが、1年間やってきたことが報われた。総力戦で勝てて良かった。ライスボウルでは攻めるフットボールをやって、社会人相手でも勝ちたい。

◆関学大WR阿部拓朗 オフェンス、ディフェンス、キッキングともに反省は多いが、勝てて良かった。(QBの)奥野と練習してきて、息の合ったプレーができた。最終学年で甲子園でMVPを取れてうれしい。次の試合は社会人のすごい強い相手。どうやって勝てるか分からないが、リーグ戦通して挑戦する気持ちでやってきた。それを持って取り組んでいきたい。

<アメリカンフットボール:三菱電機杯第74回毎日甲子園ボウル>◇15日◇阪神甲子園球場

[日刊スポーツ新聞社 吉池 彰]