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プルデンシャル生命杯第67回ライスボウル オービックシーガルズ、関西学院大学を下し史上初の四連覇

社会人王者オービックシーガルズが、自己記録を更新する4年連続史上最多7度目の日本一に輝いた。学生王者の関西学院大学ファイターズと3年連続3度目の対戦となったが、34―16で退けた。
最優秀選手には、オービックRB原 卓門(25)が選ばれた。

【試合記録】

第1クオーター

オービックのレシーブで試合開始。WR清水謙がリターンし、自陣43ヤードからの攻撃となった。QB菅原の最初の選択はWR木下典へのパス。これは不成功となったが、次のラン攻撃で1ヤード進んだ。さらに、菅原からWR池井へのパスでファーストダウンを獲得。敵陣31ヤードからWR森へのパスで、また前進した。そして、RB古谷が走って同14ヤードへ。その後、パスは関学大LB池田にカットされた。その後、オービックはRB原のワイルドキャットフォーメーションを試みる。これは失敗したが、菅原からWR萩山への17ヤードパスが決まり、3分46秒にTDを先制した(K金親のTFPキックも成功)。

関学大最初の攻撃シリーズは、RB鷺野がリターン。自陣19ヤード地点からの攻撃となった。QB斎藤からWR梅本へのパスでファーストダウンを獲得。さらにWR木戸への50ヤードのロングパスと相手反則で、ゴール前6ヤードまで進んだ。すると、鷺野が右エンドゾーンへ走り込んでTD。K三輪のキックも決まって、オービックのTDからわずか1分後の4分46秒、同点に追い付いた。

オービックは相手パントをファンブルしたが、リカバーして自陣16ヤードからの攻撃。これをQB菅原が関学大DB田中に、パスインターセプトされてしまう。

◆オービックLB古庄主将「前半すぐに点を取って、取られて、しんどい時間帯だった」

◆オービックQB菅原「今シーズンは波あり、谷ありで、今日も同じだった。相手にボールを渡すまいとしたが、序盤は反省している」

48ヤードから攻撃権を得た関学大。しかし、イリーガルブロックの反則で罰退。すると、パス攻撃が続かない。
替わったオービックの攻撃はRB原のラン。6ヤード前進して50ヤード地点まで進んだ。しかし、QB菅原からWR木下典へのロングパスは不成功に終わり、攻撃権は関学大に移った。

関学大の攻撃は自陣15ヤード地点から。QB斎藤からWR梅本へのパスで前進すると、RB鷺野へパスで同34ヤードまで進んだ。その後のパスはオービックDB砂川にカットされたが、斎藤からWR木下へのパスを決まり、ファーストダウンを獲得した。慌てたオービックは1度に3つの反則を犯す。関学大はそのうちパスインターフェアを選択し、オービックが10ヤード罰退。しかし、斎藤から梅本へのパスは不成功。斎藤の自身のランもファーストダウン獲得には至らなかった。

次のオービックの攻撃はQB菅原のスクランブル。しかし、ホールディングの反則で10ヤード罰退してしまう。また、菅原のパスは関学大DB鳥内がカット。しかし、その後にRB古谷が左サイドラインを粘って24ヤード走り、ファーストダウンを獲得した。さらに菅原からTE安東へのパスで9ヤード前進。そして再び古谷のランでファーストダウンを獲得した。さらに古谷が走って敵陣47ヤード地点に進んだところで、第1Qを終了した。

◆オービックRB古谷「KG(関学大)のぐしゃぐしゃしてきたので、序盤からランは出ると思っていた」

第2クオーター

QB菅原からWR池井へのパスは不成功で、次のパントはタッチバック。関学大の自陣20ヤードからの攻撃に代わった。

関学大はQB斎藤からWR梅本へのパスでファーストダウンを獲得すると、斎藤がキープして7ヤード前進した。しかし。ここでオービックDL中田にQBサックされてしまう。

攻撃権はオービックに。自陣19ヤードからRB原が15ヤード走り、ファーストダウンを獲得した。そして、同34ヤードからRB古谷が12ヤード前進。古谷は菅原のパスがカットされた後も、13ヤード走ってファーストダウンを獲得した。そして、敵陣37ヤード地点。QB菅原からTE森へのパスで25ヤード進み、エンドゾーンまでは12ヤードに迫る。すると、6分17秒、原が中央を突破し、TDを決めた。K金親のキックも成功し、14―7とした。

◆オービックRB原「パスが通らないので、ランを出さないと負けると思っていた。オフェンスラインを信じて走った」

関学大はWR木戸らが、パントリターンで誰が持つか、はぐらかす小技を見せたが、オービックに見破られ、自陣9ヤード地点からの攻撃に。しかし、関学大は粘って、21ヤードまで進み、ファーストダウンを獲得した。だが、その後の攻撃は続かない。

続くオービックの攻撃は、関学大LB小野にロスタックルを決められてしまう。しかし、QB菅原からWR萩山への14ヤードパスでファーストダウンを獲得した。しかし、この後、関学大DB田中がパスインターセプト。ターンオーバーとなった。

関学大はQB斎藤がRB鷺野へのショベルパスを見せるが、ゲインには至らない。そして、意表をつき、第3ダウンパントで陣地を挽回した。

自陣45ヤードから攻撃となったオービックは、RB原が37ヤード走って敵陣18ヤードまで大きく前進した。RB古谷のランで同14ヤードまで進むと、さらに古谷が走ってエンドゾーンまで5ヤードへ。しかし、オービックはホールディングの反則で10ヤード罰退してしまう。ここで、また古谷が走って6ヤード進む。そして、菅原からRB山崎へのパスが決まって、ゴールまでは3ヤード。菅原は自らキープして中央突破を試みるが、4ヤードロスしてしまう。前半残り5秒、ここでK金親の25ヤードFGが決まり、オービックの10点リードで折り返した。

第3クオーター

関学大のリターンはWR木戸。自陣17ヤードからの攻撃となった。QB斎藤はWR大園へ8ヤード、WR梅本へ30ヤードのパスを成功させ、さらに相手オフサイドの反則で敵陣45ヤードまで進んだ。ここで斎藤からパスを受けた梅本がRB鷺野へトスしたが、ロス。すると関学大はパントに見せかけTE樋之本への27ヤードパスで、ファーストダウンを獲得した。そして、ゴールまでは4ヤード。しかし、斎藤はパスをカットされた後、オービックDLジャクソンにQBサックされてしまう。ここで、関学大はディレイ・オブ・ゲームの反則で5ヤード罰退。31ヤードのFGトライとなったが、4分52秒、K三輪が成功させ、7点差となった。

次の攻撃、オービックはQB菅原がTE安東へのパス、自身のラン、RB古谷の23ヤードランで3連続ファーストダウンを獲得した。ボール・オン敵陣17ヤード。RB原が走って7ヤード進んだ後、8分19秒、再び自ら9ヤード走ってTDを決めた。K金親のキックも成功し、オービックはリードを14点とした。

◆オービックRB古谷「自分はインサイドのすれ違いが得意だと思っているが、その通りにできた。年がいくにつれて、トレーニングには気を使っており、平日から良く汗を流し、体の調子も良くなった」

関学大は自陣26ヤードからの攻撃。リズムに乗りきれない鳥内監督は、後半1回目のタイムアウトを使う。すると、QB斎藤がRB鷺野、WR木戸へのパスでファーストダウンを獲得した。そして、QBは松岡に代わり、ロールアウトから14ヤードを稼いでファーストダウンを獲得。さらに敵陣38ヤードまで進むと、WR木下へのパスも決まって、ファーストダウンを獲得した。斎藤は同23ヤードからRB飯田へショベルパス。これで同17ヤードまで前進した。そして、斎藤から梅本へのパス成功で同10ヤードまで進んだが、またもやオービックDLジャクソンにQBサックされてしまう。ここで、関学大K三輪の36ヤードFGトライは右にそれ、不成功に終わった。

◆オービックDLジャクソン「サックは狙っていた。絶対に決めたいと思っていた。斎藤は最初は動きが良く、つかまえられなかったが、アジャストした」

◆オービックLB古庄主将「KJ(ケビン・ジャクソン)は1対1では、しっかり仕事をしてくれると思っていた。よくやってくれた。自分は逆サイドのプレーが多く、しんどかった」

試合の流れをつかんだオービックは、QB菅原がWR萩山への52ヤードロングパスでゴール前10ヤードへ。そしてRB原のランで同1ヤードまで迫り、第3Qを終えた。

◆オービックQB菅原「ロングパスは、決めたいという気持ちで決めたが、オフェンスラインのおかげ。感謝している」

第4クオーター

オービックは開始2秒、QB菅原が自らエンドゾーンに飛び込み、TD。K金親のTFPキックも決まり、31―10と大きくリードを広げた。

関学大はRB鷺野が自陣43ヤードまでリターン。しかし、その後のQB斎藤のパスがつながらない。するとQB伊豆が10ヤード走り、ファーストダウンを獲得した。だが、鷺野のランではノーゲイン。その後の斎藤からWR大園へのパス成功も、オービックDB砂川に早めにつぶされ、ファーストダウンには至らない。残り1ヤードからの第4ダウン。関学大は後半最後のタイムアウトの後、中央突破でファーストダウンを獲得した。しかし、敵陣19ヤードからの斎藤のパスは、DB渡辺にインターセプトされてしまう。

オービックはここでQB菅原からWR木下典へパスが決まり、ファーストダウンを獲得。RB原のランでさらに前進すると、また、木下典へのパスでファーストダウンを獲得した。ボールは自陣42ヤード地点。ここからRB古谷が走り、6ヤードをゲインする。さらにRB原の7ヤードランで、またファーストダウンとなった。そして、敵陣38ヤードからの攻撃はQB菅原のスクランブル。これで21ヤード進んで同17ヤードまで迫ると、原の連続ランの後、左に走ったWR清水謙へのTDパスはわずかにゾーンの外。しかし、11分14秒、K金親が31ヤードのFGを成功させた。

一矢報いたい関学大は、試合時間残り3分38秒で自陣27ヤードからの攻撃。同41ヤードまで前進すると、斎藤からWR木戸へのパスでファーストダウンを更新した。さらに、オービックのパスインターフェアの反則で、敵陣31ヤードまで前進したが、斎藤がオービックDLバイロン・ビーティー・JrにQBサックされてしまう。ここで関学大は第4ダウンギャンブル。これを成功させ、同11ヤードに迫ると、残り1分19秒、斎藤からWR梅本へのTDパスが決まった。しかし、2点を狙ったTFPのパスは不成功に終わった。

関学大はオンサイドキックで攻撃権を狙うが、オービックが抑える。試合時間は残り1分17秒で、オービックはビクトリー・フォーメーション。時計を進めて、そのまま史上初の4連覇を決めた。

◆オービックRB古谷「原のMVPは、同じRBとしてうれしいが、今日はオフェンスライン全員にあげたかった」

◆オービック大橋誠ヘッドコーチ「今季は1戦1戦成長してきた。だから選手が勝ち取った勝利なので、彼らをたたえたい。関学大はいろんな仕掛けをしてきて、予想通りに手ごわかった。(それに対し)オフェンスラインが努力してくれた。いろんなチームに目標にされて強くなれた。そして、いろんな方の応援に支えられて4連覇できたのは、うれしい。オービックらしいフットボールとは勝ち続けること。これからも勝つことを目指していく」

【日刊スポーツ 吉池 彰】