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ライスボウル2015の見どころ

★関学大RBが富士通強力ディフェンスを突破できるか

 鷺野聡主将(4年)を軸とする関学大RBが、富士通の大型DLを突破できるかが、6年ぶり学生勝利のカギを握る。

 関学大は12月14日の甲子園ボウルで、7TD全てをラッシングで奪った。各3本を決めた鷺野が年間最優秀選手チャック・ミルズ杯、橋本誠司(2年)が大会MVPに輝き、RBにスポットが当たったが、関学大OLの奮戦があってこその結果である点を見落としてはならない。
 同OLでスタメンに予想されるメンバーにはLTに1年生の井若大知が入るなど、若さが売り物だ。鷺野は「OLは全員下級生だが、しっかりアジャストしてくれるので信頼している」。そして、「何かあったら(自分たち)上級生がカバーし、一体感をもってやる」とチーム一丸でのプレーを約束した。
 「相手は本場の選手で闘争心がある。気持ちで負けずに、勇気を出していく。体は大きくても俊敏なので、だましたり、思い切って行ったり、それぞれの場面で勝負して、相手を機能させない」。鷺野はそう言って、目を輝かせた。

 対する富士通・藤田智HC(47)は「関学大RBは相当うまく攻めてくる。これとこれは止めるといったポイントを持ってディフェンスするのが大事」と警戒した。
 その富士通DLの中心は、今秋新加入したオースティン・フリン(24=米アーカンソー大)。196センチ、118キロの巨体で相手オフェンスに襲いかかる。12月15日のジャパンXボウル(JXB)ではQBサック3本を決めて、圧倒的存在感を見せた。ライスボウルでも関学大RBを機能させる以前のオフェンス粉砕を、常にフォーカスしている。
 富士通ディフェンス陣はその後方も強力だ。JXBでパスインターセプト、ファンブルリターンを決めたLB浦川貴史(27=立命大)、流れを決定づける先制のパスインターセプトTDを決めたDB(CB)三木慎也(26=関学大)が、一発を狙っている。

★富士通RB対関学大ディフェンスも見もの

 富士通のRB陣にも注目が集まる。中でもJXBで4TDを挙げ、MVPに輝いたジーノ・ゴードンの動きには要注意だ。1988年12月30日、米国人の父と日本人の母の間に長崎・佐世保で生まれた。名門のハーバード大4年の時、同大史上6人目のアイビーリーグ最優秀選手賞。QBからのハンドオフを受け、インサイド、アウトサイドを縦横無尽に駆け抜ける。

 関学大・鳥内秀晃監督(56)「ランでゴンゴン来られたら終わりなので、向こうが焦るような展開を仕掛けたい」と、自由に走らせない作戦だ。

 富士通RBにはゴードンのほか、高野橋慶大(26=立命大)らタレントがそろう。それぞれ持ち味のあるステップで敵陣を切り裂く。迎え撃つ関学大ディフェンスは、副将のLB小野耕平(4年)、DB田中雄大(3年)が中心。鳥内監督は「いかに向こうの地力を出させないかがポイントになる」と話した。

★富士通QBキャメロンからWR中村へのパスに注目

 富士通の今年の攻撃は、新QBコービー・キャメロン(24=米ルイジアナ工科大)抜きには語れない。社会人のXリーグでは、202試投で139回成功、被インターセプト3回。2124ヤード、24TDを稼いだ。
 2012年には428回連続被インターセプト無しのNCAA記録も樹立、優秀QB賞にも輝いている。惜しくもNFL入りを逃して、今春、富士通入り。春のパールボウルこそ、オービックにタイブレークの末に敗れたが、秋には本領を発揮した。

 JXBでは正直不発に終わり、後半は平本恵也(27=日大)に交代。ケガも心配されるが、藤田HCは12月16日の記者会見で「ライスボウルには間に合う」と話した。192センチ、93キロの体から繰り出される鋭く正確なパスを、ライスボウルでもぜひ、見せてもらいたい。
 そのキャメロンとのホットラインが、WR中村輝晃クラーク(26=日大)。Xリーグではセカンドステージまでに39キャッチ、746ヤード、15TDとダントツの成績を残した。JXBでも5キャッチ、76ヤードでリーディングレシーバーとなったが、同大会での初TDは逃した。「あと1試合で、このリベンジをしたい」と意気込む。エンドゾーンへ走り込む中村の動きから目が離せない。

★関学大QB斎藤は富士通への”恩返し”を期す

 関学大のエースQB斎藤圭(4年)は、少年チームの富士通フロンティアーズジュニアでフットボールを始めた。中大付高から関学大へ。2年からスターターを務め、3年時には甲子園ボウルMVPにも輝いた。今年の甲子園ボウルではTDパスこそなかったが、21試投で14回成功、被インターセプトなしで173ヤードを稼いだ。「パスは要所で通せたが、精度を良くしたい」と斎藤は、ライスボウルに向けて成長を止めるつもりはない。

 そのパスを受けるのは気心の知れた同じ4年生のWR木戸崇斗、大園真矢。甲子園ボウルでもTDにつながるロングパスをキャッチした。その再現も期待される。
 成長した斎藤少年の”恩返し”は成るか。2015年1月3日午後2時、「アメリカンフットボール日本選手権 プルデンシャル生命杯 第68回ライスボウル」はキックオフされる。
(日刊スポーツ 吉池 彰)