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日本大学が27年ぶり5度目のライスボウルへ

日本大学が27年ぶり5度目のライスボウルへ

 

日大は1年生のエースQB林大希が投げて良し、走って良しの大活躍。ランではチーム最長の113ヤードを獲得した。

 

チャックミルズ杯・年間最優秀選手賞と大会最優秀選手には林大が、敢闘選手には関学大QB西野航輝(3年)が選ばれた。日大は1月3日のライスボウル(東京ドーム)に進出、社会人王者と対戦する。

試合記録はこちら

 

【第1クオーター】

日大のキックオフ、関学大のレシーブで試合開始。RB前田がリターンし、自陣31ヤードからの攻撃となった。すると、QB西野がいきなり鮮やかなキープラン。一気に敵陣44ヤードまで攻め込んだ。さらにパスを受けたエースWR松井がロングゲイン、ゴール前2ヤードまでボールを進めた。ここで松井は負傷退場となったが、関学大はQB西野が右に行くと見せかけ、エンドゾーン左へ自ら走り込んで先制TDを決めた。PATキックも決まり、関学大が開始1分11秒で7―0とリードを奪った。

 

対する日大はWR林裕がリターンし、自陣20ヤード地点からの攻撃。QB林大が最初に選択したランは1ヤードのゲインに止まり、次のロングパスもWR林裕までわずかに届かず不成功。さらに自身のキープランで大きく前進もファーストダウンには至らなかった。

 

代わって関学大の攻撃は自陣35ヤードから。RB山口が走って16ヤード前進し、敵陣49ヤードでファーストダウンを獲得した。そして、次のランは止められたが、その次のランではRB三宅が前進。するとQB林大からWR亀山へのパスでファーストダウンを更新した。しかし、続く西野のランは4ヤードロス。次のパスも不成功、さらにRBのランもファーストダウン更新には至らなかったが、次のパントは敵陣1ヤードまで押し込んだ。

 

ここで何とか反撃の流れをつかみたい日大は最初の攻撃でRB宋が中央突破、ファーストダウンを獲得した。さらにQB林大の2度のキープランでファーストダウンを更新。そして、WR林裕、WR小倉へのパスでファーストダウンを更新し、ボールを自陣47ヤード地点まで進めた。ここから林大は自身のキープとRBウィリアムスのランでファーストダウンを更新。すると12分36秒、QB林大からWR林裕へ39ヤードのTDパスが決まった。しかし、PATキックはブロックされ、得点は関学大の7―6となった。

 

続く関学大の攻撃は自陣35ヤードから。第1ダウンで日大のディフェンスに圧力をかけられた関学大は、第2ダウンで交代違反。次のランも止められたが、ここでQB西野がWR亀山へロングパスを決め、ファーストダウンを獲得した。さらにRB三宅のランで前進したところで、第1Qが終了した。

 

【第2クオーター】

 

関学大の最初のプレーはQB西野のラン。しかし、前進はできない。ここでQBはサウスポーの光藤に交代。すると、WR亀山へロングパスが決まり、ファーストダウンを更新した。これで敵陣25ヤードまで攻め込んだ関学大。光藤がスクランブルプランで5ヤード進むも、次の攻撃では光藤が日大LB楠井にロスタックルを食らってしまう。さらにランが止まったところで、関学大は3分19秒、K安藤が36ヤードのFGを決め、10―6と突き放した。

 

代わった日大の攻撃は自陣24ヤード地点から。RB川上が走り、7ヤード前進すると、QB林大がキープランでファーストダウンを獲得した。さらにWRクックへのクイックパスで進むと、RBウィリアムスのランでファーストダウンを更新。すると林大はまたもキープランで進んだ。その後の更新はできなかったが、LBも兼ねるP楠井が絶妙のパントを見せ、ボールを敵陣1ヤードまで押し戻した。

 

ここで関学大はQBに西野が復帰。セーフティーの危機をWR亀山へのファーストダウン獲得パスで、あっさりしのいだ。しかし、その後は日大ブロンソン、奥本のDB陣らに阻まれ、前進できない。すると、第4ダウンではディレイ・オブ・ゲームの反則を犯してしまう。

 

そして、日大の攻撃は自陣48ヤード地点から。第3ダウンでQB林大のキープランでファーストダウン獲得したが、フォルス・スタートの反則で5ヤード罰退。その後のラン、パスでもファーストダウン更新には至らなかった。

 

代わった関学大の攻撃は自陣29ヤード地点から。ここでQB西野が日大DL伊東の圧力に押され、パスしようとしたボールをファンブル、これを日大LBモーゼスに抑えられ、ターンオーバーを喫してしまう。

 

敵陣28ヤード地点で攻撃権を得た日大は、QB林がキープランでファーストダウン獲得。すると13分47秒、RB宋がエンドゾーン右へ16ヤードの逆転TDランを決めた。PATキックも決まり、日大が13―10とした。

 

続く関学大は自陣27ヤードからの攻撃。QB西野のパスは不成功、RB山口のランもファーストダウン獲得には届かず、ここで前半が終了した。

 

◆日大・内田監督 1年生が、予想以上のことをやってくれた。

 

◆関学大・鳥内監督 細かいミスが出てしまった。ターンオーバーでリズムも崩れた。

 

【第3クオーター】

 

関学大のキックオフはそのままサイドラインの外に出て、日大の攻撃は自陣35ヤード地点から。するとQB林大がWR小倉へ、いきなり30ヤードのロングパスを決めた。これで敵陣35ヤードまで攻め込んだ日大はRB川上のランで8ヤード進むと、QB林大が自身のランでファーストダウンを更新した。林大はさらに小倉へパスを決め、ゴール前9ヤードでファーストダウンを更新。そして、RBウィリアムスのランで同1ヤードに迫ると、3分0秒、RB川上がTDランを決めた。PATキックも成功し、日大が20―10とリードを広げた。

 

これ以上、離されたくない関学大は、自陣41ヤード地点からの攻撃。RB山口のランでわずかに進むも、次のプレーでフォルススタートの反則を犯してしまう。その後。QB西野のラン、WR亀山へのパスで前進したが、ファーストダウン獲得には届かない。

 

代わった日大の攻撃は自陣16ヤード地点から。RB川上のランで5ヤード前進すると、林大が自身で2度走ってファーストダウンを更新した。その後、日大はイリーガルフォーメーションの反則で5ヤード罰退したが、直後のRBウィリアムスのランでファーストダウンを更新した。すると、自陣38ヤードからRB川上が、相手ディフェンスを引きずりながら、敵陣49ヤードまで走り込んだ。さらに川上のランで8ヤード進むと、次のパスは失敗も、RB宋のランでファーストダウンを更新した。そして、RBウィリアムスらのランでゴール前18ヤードに迫った日大は、12分15秒、K篠原が33ヤードのFGを決めた。これで日大のリードは13点となった。

関学大は自陣34ヤードからの攻撃。QB西野のスクランブルランでのゲインは1ヤードだったが、WR前田のランで敵陣39ヤードまでボールを進めた。さらに西野が走ってファーストダウンを2回更新、ゴール前6ヤードに迫った。ここでQBが光藤に代わると、RB山口のランで2ヤード進んだところで第3Qが終了した。

【第4クオーター】

 

関学大はRB山口のランでゴール前1ヤードへ。すると、ワイルドキャット・フォーメーションに入った山口が中央を突破し、同Q開始37秒、TDを決めた。PATキックも決まり、得点は23―17と、日大の6点リードに変わった。

 

関学大のキックオフは、またもや、そのままサイドラインの外へ。日大の攻撃の自陣35ヤード地点からに代わると、QB林大がキープランで5ヤード前進した。ここで林はやや足を引きずるそぶりを見せたが、そのままプレーを続行。RBウィリアムスにパスを決め、敵陣49ヤード地点でファーストダウンを獲得した。林はさらにスクランブルランでファーストダウンを更新したが、その後の更新はできなかった。

 

しかし、日大は正確なパントを見せ、関学大を自陣1ヤードからの攻撃に押し込む。すると、2度の攻撃で2ヤードしか前進できなかった関学大は、試合時間残り9分半で第3ダウンでのパントを選択。その後の反撃に期待する作戦を取った。

 

ここで突き放したい日大は自陣44ヤードからの攻撃。するとQB林大が自ら敵陣30ヤード地点まで走って、ファーストダウンを獲得した。しかし、相手タックルを受けた林はフィールドに倒れ込み、起き上がったもののベンチに下がった。ここで日大のQBは室井に交代。RBウィリアムスの連続ランで3ヤード進んだ。すると日大は、QBに再び林を投入。第3ダウンのゲインが1ヤードに止まると、第4ダウンギャンブルと見せて、林が絶妙のパント。またも、関学大を自陣1ヤードからの攻撃に押し込んだ。

 

試合時間は残り6分36秒。関学大はQB西野からWR前田への連続パスで9ヤード進むと、RB山口が中央を突破し、自陣30ヤードでファーストダウンを獲得した。しかし、ここからWR亀山へのロングパスは失敗、さらにフォルススタートの反則を犯し、5ヤード罰退した。ところが、その後に走った西野に日大DB奥本がレイトヒットのパーソナルファウル。その結果、関学大が自陣49ヤード地点でファーストダウンを更新した。すると関学大はRB山口がランで9ヤード前進。さらに代わったQB光藤、山口が走り、ファーストダウンを更新した。

 

QBには西野が戻り、残り試合時間は3分余り。西野は自身で走るが、2ヤードしかゲインできない。さらに、第2ダウンでは日大LB楠井に1ヤードのロスタックルを食らってしまう。そして、第3ダウンでは西野からパスを受けたWR亀山がRB山口にショベルパスというスペシャルプレーも見せたが、ファーストダウンを更新には至らない。

 

すると、残り時間1分53秒で関学大はタイムアウト。このあと、日大にビッグプレーが飛び出す。第4ダウンギャンブルで投げた西野のパスを日大DL宮川がはじき、LB楠井がインターセプト。そのまま、敵陣25ヤードまで持ち込んだ。

 

残り1分42秒で日大の攻撃。関学大が2度目のタイムアウト後、日大はRB宋が走り、敵陣11ヤードでファーストダウンを獲得した。すると日大がラン攻撃で3ヤード進んだところで、関学大が3度目のタイムアウト。ここで試合時間は残り53秒となった。最後は日大がニーダウンして、関東勢11年ぶりの甲子園ボウル優勝が決まった。

 

◆日大・内田監督

選手が良く頑張ってくれて、コーチが良く指導くれた。厳しくやったが、良くついてきてくれた。(最後に追い上げられたが)非常に落ちついてやっていたので、大丈夫だと思った。選手たちを誇りに思う。

ここまでは想定通りに進んできたが、ライスボウルで勝つのが最終的な目標。選手は(甲子園ボウル優勝の)余韻を楽しんで、(準備は)来週からで良いんじゃないか。

 

◆日大QB林大希

周りのおかげで、すごく自分らしいプレーができたと思う。関学は1人1人に力があり、体がでかく、気迫も伝わってきたが、自分らがやってきたことを信じて、15分4Qを戦い抜いた。

社会人は体が大きくて早いし、外国人もたくさんいるけど、学生らしさを出したい。体力があるし、時間もたくさんある。その時間を準備に生かしたい。今日のようにシンプルなことを出せたら社会人相手でもいけると思う。

◆日大LB楠井涼

(インターセプトでは)これを走りきって、オフェンスに回したら、時間を進めて勝てる思った。今年は1月に始まった時からしんどくて、心折れそうだったが、絶対に甲子園で勝つと決めてやってきた。3年間の全部を出せた気がしてうれしい。

 

◆日大DL山崎主将

勝って、ほんとに良かった。苦しい時期があったからこそ、みんなが勝ちたい気持ちがどんどん強くなって、今があるんだと思う。全員がひとつになって、最後まであきらめずに、やってくれたので、こういう結果があると思う。みんなに感謝している。

ライスボウルも今日と同じように思い切りやりたい。思い切りやれば、勝機はある。社会人は1対1に強い。1対1に勝つために、プレーの質を高めていきたい。

 

◆日大OL加倉井副将

ライスボウルはいつもテレビで見ていたもので、憧れ。社会人とは合同練習したことがあるが、挑戦者の気持ちでやるだけやる。

 

【日刊スポーツ新聞社 吉池 彰】