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富士通2年ぶり二度目の社会人制覇、ジャパンエックスボウル 詳細レポート

富士通、オービックを破り2年ぶり2度目のライスボウル出場へ

アメリカンフットボール:ジャパンエックスボウ・第30回日本社会人選手権は4年連続8度目出場の富士通が、16―3でオービックに勝ち、2年ぶり2度目の社会人王座に就いた。MVPは富士通のQBコービー・キャメロン(26=米ルイジアナ工科大)が獲得した。

富士通は来年1月3日の日本選手権「ライスボウル」(東京ドーム)で、18日の「甲子園ボウル(関学大―早大)」で決まる学生王者と対戦する。

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■記録はこちら

 

【第1クオーター】

落語家の林家たい平がコイントス。富士通のレシーブで試合開始となった。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Pregame.

RB金がキックオフリターンし、富士通は自陣22ヤードから最初の攻撃権を得た。QBキャメロンの最初のパスは不成功。RBゴードンのランは3ヤードだったが、キャメロンからWR岩松へのパスでファーストダウンを獲得すると、WR中村へのパスで、敵陣37ヤードまで攻め込んだ。さらに自身のスクランブルランなどでゴール前10ヤードへ。その後に中村へのTDパスが決まったかに見えたが、反則で15ヤード罰退した。しかし、富士通はキャメロンのキープランなどで7ヤードまで迫る。すると、5分26秒、K西村の24ヤードFGが決まり、3点を先制した。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. First Quarter.

◆富士通LB鈴木(主将) ボウルゲームには波があるが、最初にフィールドゴールまでいけたのは、大きかった。

富士通のキックオフはタッチバックとなり、オービックの攻撃は自陣25ヤードから。RB望月のランは2ヤードロス。QBニューハイゼルのパスは富士通LBニクソンにカットされてしまうが、次のWR萩山へのパスでファーストダウンを獲得した。しかし、その後の攻撃は続かない。代わった富士通の攻撃も自陣25ヤードから。RBゴードンのランで5ヤード前進した。するとキャメロンはWR中村への23ヤードパスでファーストダウンを獲得した。富士通が勢いに乗りかけたが、ここでオービックLB塚田がQBサック。その後の攻撃を抑えた。

オービックの攻撃は自陣20ヤードから。ニューハイゼルからWR池井へのパスで5ヤード進んだ。さらにRB望月のランで4ヤード前進したところで、第1Qが終了した。

【第2クオーター】

オービックはRB望月のランでファーストダウンを獲得した。しかし、イリーガルフォーメーションの反則で5ヤード罰退してしまう。QBニューハイゼルはWR前田へのパスで前進するも、次のパスは不成功。さらに富士通LB竹内にサックされてしまう。

◆富士通LB竹内 これだけできるとは考えていなかったが。とことん集中できた。絶対止めてやると、落ちついてプレーできた。東海リーグからアメフトを始めて、以前は東京ドームの雰囲気にのまれていたが、今日は自分らしいプレーを貫けた。

◆富士通LB鈴木(主将) 竹内とは今週、食事をして、じじいのうんちくじゃないが、いろいろ話した。彼は夢中になってボールを追いかけ、ひと皮むけた。

富士通の自陣37ヤードから攻撃に代わり、RBゴードンが連続で走り、ファーストダウンを獲得した。さらにWR中村へのパスでファーストダウンを続けて獲得。しかし、ここでキャメロンがオービックDLジャクソンにQBサックを食らい、大きくロスしてしまう。ところが、ここでキャメロンが26ヤードのスクランブルラン。ファーストダウンを獲得した。たまらずオービックは1回目のタイムアウトを要求した。

ゴールまで15ヤードに迫った富士通。しかし、ゴードンの連続ランでの前進はわずか3ヤード。さらにオービックDB砂川にパスカットされてしまう。第4ダウンとなり、富士通は5分45秒、K西村が28ヤードFGを成功させ、リードを6点に広げた。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Second Quarter.

オービックはWR木下が自陣25ヤードまでパントリターン。ニューハイゼルのスクランブルランの後、RB望月のランでファーストダウンを獲得した。さらに富士通のホールディングの反則で自陣48ヤードへ進んでのファーストダウン攻撃。4ヤード進んだが、次のランプレーでRB中西がファンブルリカバーされてしまう。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Second Quarter.

富士通の攻撃に代わり、慌てたオービックはパーソナルファウル。富士通がゴールまで32ヤードまで進んだ。富士通はさらに9ヤード進むが、ここでフォルススタートで5ヤード下がる。さらに、オービックDLジャクソンがゴードンのランを阻むが、キャメロンが自ら走ってファーストダウンを獲得、ゴールまで17ヤードに迫る。すると、ここでオービックにまたパーソナルファウル。ハーフディスタンス下がってゴールまでは10ヤードに。しかし、ここで富士通はキャメロン、RB高口がロスタックルされてしまう。しかし、11分22秒、富士通はK西村が29ヤードFGを成功させ、リードを9点とした。

◆富士通QBキャメロン 勝ちたかったのでランもパスもやった。前半はハードなプレーができた。今はちょっと疲れた。

前半残り30秒で、オービックの攻撃は自陣35ヤードから。しかし、ビッグプレーは生まれず、前半終了となった。

【第3クオーター】

オービックWR木下のリターンで試合再開。自陣26ヤードからの攻撃は、QB菅原から木下へのパスでファーストダウンを獲得した。その後、第4ダウンとなったが、パントブロックで跳ね返ったボールをオービックDLビーティー・ジュニアが拾って、敵陣37ヤードまで進んだ。

続くプレーで富士通がパーソナルファウル。さらなるRB望月のランなどでゴール前1ヤードに迫る。しかし、中央突破は富士通LBニクソンに阻まれてしまう。そして、ディレー・オブ・ゲームの反則後、6分31秒、オービックK星野が19ヤードのFGを決めた。これでオービックは3―9とした。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Third Quarter.

代わった富士通は自陣29ヤードからゴードンのラン、QBキャメロンからWR宜本慎平へのパスでファーストダウンを獲得した。さらにゴードンのラン、キャメロンからWR強への14ヤードパスで、連続ファーストダウンを獲得。敵陣深く攻め込んだ。

慌てたオービックは、またもやパーソナルファウル。富士通はゴールまで13ヤード地点から攻撃で、キャメロンからWR中村へのパスなどでゴールまで4ヤードに迫ると、最後は11分21秒、RBゴードンがエンドゾーン中央にTDランを決めた。続くK西村のキックも決まり、富士通は16―3とリードを広げた。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Third Quarter.

◆富士通WR中村 場にのまれなかった気がする。決勝とか、(DBの)あの人が前に来るとか思わなかった。後半、TDまでいけて良かったが、その後に点が取れなかったのは、今後の課題になる。

何とか流れをつかみたいオービックはWR木下が自陣31ヤードまでリターンした。QB菅原のパスは、2度失敗したが、次のプレーでファーストダウンを獲得した。ここでRB望月が走ったところで第3Qを終えた。

【第4クオーター】

開始直後、オービックはQB菅原が富士通LB鈴木にサックされてしまう。ここで、パントでこぼれたボールをオービックDB砂川が抑えたが、キック側のインターフェアランスとなり、富士通が優位な位置で攻撃権を獲得した。そして、敵陣に入るが、その後、ファーストダウンを獲得には至らない。

代わってオービックの攻撃。自陣18ヤードから菅原のパスはあわやインターセプトされそうになる。さらにパスを試みるが、攻撃権は続かない。対する富士通の攻撃はランプレー中心。しかし、ファーストダウン獲得はできない。

残り試合時間は6分11秒。自陣12ヤードからの攻撃となったオービックは、RB望月が13ヤード走って、ファーストダウンを獲得した。さらに、菅原からWR西村へのパスでファーストダウンを獲得。ここでオービックは勝負をかける。QB菅原からパスを受けたWR前田が、RB原へパスを狙ったスペシャルプレーを見せるが、不成功。その後の攻撃も続かなかった。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Fourth Quarter.

残り5分5秒で富士通は自陣42ヤードから攻撃権を得ると、ランプレーで時計を進める。しかし、ゴードンの中央突破では、ファーストダウン獲得には至らない。

残りは3分6秒。オービックは自陣27ヤードからの攻撃で菅原が連続パス。敵陣40ヤードまで進んだ。続くWR萩山へのパスに富士通がパスインターフェアランスの反則を犯したかに見えたが、ノーファウルの判定。続く菅原のパスは連続失敗となったが、第4ダウンギャンブルでWR池井へのパスが決まり、ファーストダウンを獲得した。さらに池井へのパスで連続ファーストダウンを獲得するが、ここで菅原が富士通DL岩熊にQBサックされてしまう。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Fourth Quarter.

残りは1分44秒。菅原のパスがDB善元にインターセプトされる。富士通の攻撃に代わり、残りは1分35秒。富士通はゴードンのランプレーで時計を進めると、最後はビクトリーフォーメーション。JXBでは4度目の対戦で、初めてオービックから勝利を飾った。

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Postgame.

2016 Japan X Bowl. Obic Seagulls vs. Fujitsu Frontiers. Postgame.

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◆富士通・藤田智ヘッドコーチ 選手の集中力が勝因だと思う。週を追うごとに良くなってきた。去年、パナソニックに負けた時はゲームの流れに引き込まれた。それがチーム全体にまん延した。ただ、それは成長過程で起きたことだと思う。コービー(キャメロン)もうまくなっている。今日はゲームをちゃんとマネジメントできた。みんながいい仕事をしてくれた。立派に戦ってくれて誇らしい。これから日本一に向けて、しっかり準備したい。

◆富士通LB鈴木(主将) 最後の攻防で、粘り強くディフェンスの良いところを出せた。ワンプレー、ワンプレーをやり切った。ライスボウルに向けて、もう1回チームを仕上げる。

◆富士通DB善元 何年か前に逆転負けしたので、点差は考えずにプレーした。ライスボウルでは、母校(関学大)と戦いたい。

◆富士通WR中村 ライスボウルで自分の役目は変わらないが、体の準備をして、目立った活躍で、MVPを狙っていく。

◆オービック古庄直樹ヘッドコーチ 完敗です。自信を持って勝つと臨んだが、スコアできないウチに比べ、富士通はスコアできた。ディフェンスは苦しい展開ながらよく踏ん張った。後半、QBを菅原に替えたのはいつものこと。第3Q、残り1ヤードまで攻め込みながらタッチダウンを奪えず、フィールドゴールで終わった。あれが今の力。勝てるチームなら、あそこで(タッチダウンを)取れていた。チームを指揮して1年目、強いチームを作るには1年では足らないが、ビッグゲームに臨めるチームは作れた。

◆オービックTE安東(主将) 富士通はミスしない。ウチは要所で得点できなかった。それが差になった。チームとしてはまだまだ。来シーズンこの場所に戻って勝つ。

◆オービックDB砂川(副将) ディフェンスはよく頑張った。富士通との差はないし、来シーズンもっと強いディフェンスにしたい。今年1年積み上げた自信を、さらに積み上げて行けば、またこの舞台に立てると思う。

◆オービックQB菅原 僕はチームが窮地になった時にいい流れを持ってくる役割。点を取らなければいけないのに取れなかった。責任を感じている。決めた富士通と、決められなかったオービック。これが現時点での差。第3Qのあと1ヤードの局面で、タッチダウンが取れていたら勝てていた。詰めの甘さで勝てなかったのが、悔しい。日ごろの生活とか行動とかを見直して来年に生かしたい。

【日刊スポーツ新聞社 吉池 彰】

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