2011.12.21
甲子園ボウル 試合リポート

甲子園ボウル リポート


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 22年ぶりに甲子園球場で実現した“青赤対決”は「普段通りのプレー」が勝敗を決した。

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 日大は関東代表となった時からこの日のための準備をしていた。「ランプレーは関学対策用にオプションで組み立てました」。日大QB安藤の言葉通り、関東で威力を発揮したQBキープは後半最初のシリーズで繰り出した以外は封印した。しかしオプションが関学守備の素早い対応と的確なプレーリードの前に全く進まない。結果パスへの比重が高くなる試合展開になったが、これも関東で面白いように決まっていたロングパスはほぼ投げなかっ

た。いや投げられなかった。「関学DBのクッションが深く、(ロングパスへの用意がある中で)イチかバチかの勝負はできなかったので」。しかしQB安藤の判断とは逆に、関学DB陣の出足は鋭く、捕球されてもその後のゲインを許さない堅実なタックルを決め、日大攻撃のドライブを断ち切られていった


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 逆に関学攻撃は想定外の状況にも慌てなかった。第1Q、この日3回目のドライブに挑んでいた関学攻撃陣は一瞬面食らった。「スカウティングビデオと違って、日大CBがぴったりマンカバーしてきたんですよ」。WR和田は振り返った。その時に和田の脳裏に閃いたのは「いつも練習してきたタイミングのパスで勝負」だった。それはQB畑も同様だった。2度のフェイントを入れ、左コーナーへの38ヤードのロングパス。このドライブはRB望月による先制TDへと結びついた。





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キッキングも特にパントカバーの秀逸さはリーグ戦同様で、日大のリターンを4回で-9ヤードに抑え込んだ。さらに集まりの良さからリターナーにプレッシャーをかけ、第2Qにはファンブルを誘

発。ゴール前で関学がリカバーし、2本目のTDを生んだ。

 関学にもミスはあったが、決めるべき時に積み上げてきたものそのまま出せた関学と余所行きのフットボールになってしまった日大との差は、24-3という点差で冬の甲子園球場に示されていた。

(日刊スポーツ 井藤 融)




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