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甲子園ボウル レポート

関西学院大学ファイターズ学生四連覇達成 ライスボウル出場を決める
パナソニック杯第69回毎日甲子園ボウル

甲子園ボウルで28回目の伝統校決戦は、関学大が55―10の大差で日大を下し、4年連続27回目の優勝を果たした。
関学大は7TDのいずれもランで奪った。最優秀選手には3TDのRB橋本誠司(2年)が選ばれた。関学大は1月3日のライスボウルに進出、社会人王者と対戦する。

【試合記録はこちら】

【第1クオーター】

コイントスの結果、関学大がレシーブを選択。DB田中のキックオフリターンで自陣17ヤード地点からの攻撃開始となった。するとQB斎藤からのパスを受けたがWR木下が右サイドを大きくゲイン。斎藤は自身のラン、パスで敵陣26ヤードまで進んだ。そこからRB鷺野が走る。最後は4分8秒、残り1ヤードでRB橋本が中央にダイブして先制TDを決めた。K三輪のTFPも決まって、関学大が7―0とした。

対する日大は最初の攻撃シリーズ、QBは高橋ではなく西沢。WR岩松への18ヤードパスで前進した。しかし、その後のパス攻撃は不成功に終わり、攻守交代となった。

関学大はRB橋本が27ヤードをロングゲインしたが、その後のフォルススタートでの罰退が響き、ファーストダウン更新は成らなかった。ところが、関学大は日大選手に当たったパントのボールをリカバーし、攻撃権を維持した。そして、QB斎藤が右サイドを駆け抜けてTDと思われたが、ホールディングの反則で無得点。しかし、次のプレーで関学大は10分23秒、RB橋本が22ヤードを中央突破し、TDランを決めた(キックも成功)。

◆鳥内監督 最初のドライブでTDがとれたのと、次の攻撃シリーズで日大がパント処理ミスをしてくれたので、うちに大きな流れが来た。

◆RB橋本 力を入れて練習していたのが、中央のランだった。自分的には2本目のTDが良かった。相手のタックルが来たけど、エンドゾーンで倒れることができて良かった。OLがブロックしてくれたおかげ。

早く反撃したい日大はQB西沢からWR岩松への24ヤードパスで前進するが、次のラン攻撃は関学大ディフェンス陣に跳ね返されてしまう。第1Qは関学大が14―0で、理想的な立ち上がりとなった。

【第2クオーター】

関学大はQB斎藤からWR大園へのパスで大きく前進すると、開始34秒にエースRB鷺野が中央を39ヤード突破、またもTDを奪った(キックも成功)。

0―21と厳しい展開となった日大。QB高橋のパスは決まるが、ランではなかなか前進できない。高橋はパス攻撃を続け、ゴール前に迫った。そして、5分5秒、K有輪の26ヤードFGで3点を返した。

関学大はRB鷺野のランなどでファーストダウンを更新する。さらに斎藤が自らキープしてゴールに迫ると、9分4秒、RB橋本が残り3ヤードを走り、この日3本目のTDランを決めた(キックも成功)。

日大はQB高橋が連続キープしてファーストダウンを獲得。さらに相手レイトヒットの反則で15ヤード稼ぎ、敵陣30ヤードまで進んだ。3rdダウン1で日大はタイムアウト。直後にRB高口が中央を走り、ファーストダウンを更新した。そして、4thダウン1で日大はギャンブル。13分9秒、高橋が左エンドゾーンへ4ヤード走り込みTD1本を返した(キックも成功)。

一方、関学大はタイムアウトもうまく使いながら、追加点を狙う。そして、15分0秒、K三輪が34ヤードFGを決めた。これで前半は31―10。関学大の21点リードで折り返した。

【第3クオーター】

後半は日大のレシーブで開始。WR西村のリターンで自陣18ヤードからの攻撃と思われが、交代違反でいきなり5ヤード罰退し、13ヤードからの攻撃となった。しかし、ファンブルリカバーで攻守交代。対する関学大もQB斎藤が日大LB趙にサックされてしまう。

関学大P伊豆の好パントで、日大の攻撃は自陣1ヤードから。ファーストダウンは更新できず、関学大に良い位置からの攻撃を許してしまう。すると斎藤はパスと自身のランでゴールまで残り2ヤードへ。そしてRB橋本のランで残りは1ヤード。最後は6分38秒、RB鷺野が中央からダイブしてTDを決めた(キックも成功)。

反撃したい日大だが、QB高橋がDL安田にサックされ、ファーストダウンを更新できない。

すると関学大はランで前進。パスを受けたWR木戸も左サイドを走って、敵陣を進んだ。さらにWR大園へのパス、QB斎藤のキープでゴール前3ヤードへ。RB橋本のラン後、残り3ヤードでRB鷺野の中央ダイブと、前の得点と同じパターンで12分24秒、TDを奪った。キックも成功し、関学大は45―10で勝利に大きく近づいた。

◆RB鷺野(主将) 今日はできすぎ。ライスボウルでは苦しい場面、厳しい場面を考えてやりたい。

日大は4thダウン4でギャンブルを試みるが、QB高橋のパスは関学大DB奥田にインターセプトされてしまう。

【第4クオーター】

関学大は斎藤から代わったQB伊豆が、自ら走って中央を大きくゲイン。残り3ヤードで伊豆は、2分19秒に自身の3ヤードランでTDを奪った(キックも成功)。

一矢報いたい日大はファーストダウンを連続更新。敵陣31ヤードからQB高橋がWR西村へのTDパスを狙うが、惜しくもキャッチできない。すると、次のパスは関学大DB小椋にインターセプトされてしまう。

関学大はラン攻撃で時計を進めながら、ディフェンス陣が日大の前進を阻む。そして、控えのQB前田がTDパスを狙うなど、最後まで攻撃の手を緩めない。試合時間残り3分9秒ではK三輪が40ヤードFGを決め、55―10とした。

関学大は残り1分43秒でDB国吉が日大QB高橋のパスをインターセプト。その後はニーダウンして、大会4連覇を果たした。

◆RB橋本 MVPを取れたことはすごくうれしいけど、まだまだ課題がある。次のライスボウルで、また4回生とプレーできる。それに向けて準備をしたい。

◆斎藤 この1年間、ライスボウルで社会人に勝って日本一になることを目標にしてきた。この4年間やってきたことをすべて出すつもり。投げ負けないようにしたい。ランは簡単には通らないと思う。サードダウンなどで、パスを通せるかが大事になる。

◆鳥内監督 ランが意外と出たので無理に放らずに(=パス攻撃をしないで)済んだ。次のライスボウルは(社会人代表に)、個人のレベルでは勝てない。相手を慌てさせる作戦を考えないといけない。

◆RB鷺野(主将)1年間ライスボウルを目標としてやってきた。必ず社会人に勝って、日本一になります。

(日刊スポーツ 吉池 彰)