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関西学院大学が甲子園ボウル3連覇、第67回ライスボウルへ

第68回甲子園ボウルレポート

関学大が23―9で日大を下し、3年連続26回目の優勝を果たした。関学大は1月3日のライスボウルに進出、社会人王者と対戦する。

第1クオーター

コイントスの結果、日大のレシーブで試合開始。RB原田のキックオフリターンで自陣28ヤード地点からの攻撃となった。しかし、関学大主将のDL池永にQB高橋がサックされ、8ヤードロスしてしまう。

◆池永 QBサックは常に狙っていた。サックできてチームに流れを持っていけて良かった。絶対に相手QBをリズムにのせないように、と思っていた。

対する関学大は最初の攻撃シリーズ、QB斎藤からWR木下へのロングパスなどで大きく前進した。そして、ゴール前2ヤードからRB鷺野らが第4ダウンまで中央突破を試みるが、日大ディフェンス陣が残り1ヤードで関学大を止め、攻撃権を奪い返した。

しかし、日大はファーストダウンを更新できない。一方、関学大はRB三好のランであっさりファーストダウンを更新。さらにQB斎藤のパスで前進し、ゴールに迫った。そして、TE松島へのパスで残り1ヤードとし、斎藤が自ら走ってTDを狙うが、再び日大守備が踏ん張る。12分2秒、関学大はK三輪の18ヤードFGを選択、3点を先制した。
次の攻撃は両校ともに淡泊なものに終わり、第1Qを終えた。

第2クオーター

関学大は自陣37ヤードからの攻撃。QB斎藤からWR木下へのパスで前進したが、反則で15ヤード罰退した。しかし、関学大は粘ってファーストダウンを更新。斎藤からWR梅本へのパス、ワイルドキャットのQB中根のランで7ヤードに迫ると、3分48秒、斎藤からWR木戸への7ヤードTDパスが決まった。三輪のTFPのキックも成功、10点のリードを奪った。

◆斎藤 自分がオフェンスを作る気持ちで今年はやってきた。ミスも多かったがレシーバーが助けてくれて決まって良かった。

対する日大は自陣34ヤードからの攻撃。QB高橋のランでファーストダウンを更新した。しかし、その後は続かない。攻撃権は関学大に移るが、こちらも更新できない。すると日大は次の攻撃、RB高口のランでファーストダウンを更新した。さらにQB高橋の連続ランで更新すると、高口がランで中央突破。しかし高橋のパスは関学大DL池永にカットされてしまう。すると日大はK有輪が26ヤードのFGトライ。11分58秒にこれを決めて、3点を返した。
日大は攻守でリズムを取り戻し、関学大の反則を誘う。自陣46ヤードから攻撃権を得ると、関学大のパスインターフェアの反則で前進した。しかし、今度は日大がホールディングなどの反則を連発。大きく罰退して得点には至らず、関学大の7点リードで前半を終えた。

第3クオーター

関学大のレシーブで後半開始。RB鷺野のリターンで自陣24ヤードからの攻撃となった。しかし、QB斎藤が日大LB岩本につかまり、ファーストダウンを更新できない。
対する日大は1年生RB竹内が中央を走り抜け、ファーストダウンを更新した。さらに高口のランで前進したが、次の更新には至らなかった。
すると、関学大は斎藤からTE樋之本へのロングパスが決まり、大きく陣地を挽回した。しかし、こちらも次のファーストダウンは更新できない。
試合は足踏み状態。日大はQB高橋がリバースプレーを見せるが、ゲインには至らない。関学大DB田中、DL松本らの圧力で、攻撃権を失った。

ここで関学大はWR木下へのパスが決まる。日大のフェースマスクの反則もあり、敵陣21ヤードまで攻め込むと、RB鷺野のランで前進。すると、日大LB趙のQBサックされながらも、K三輪が13分41秒、40ヤードのFGを決め、リードを再び10点とした。

◆鷺野 後半のプレイではうまくアジャストできた。ディフェンスに助けられた。1対1の場面で抜けたので自信になった。でも、絶対TD決めようと思っていたので悔しい。ライスボウルではTDを絶対決めたい。

第4クオーター

開始早々、関学大はDB大森がパスインターセプト。これで得たチャンスに、WR梅本が右サイド走って大きくゲインした。しかし、ホールディングの反則で10ヤード罰退。ここからQB斎藤が自身のランとパスで粘って前進すると、3分21秒にK三輪が36ヤードのFGを決めた。これで、関学大のリードは13点となった。
逆転には2TDが必要となった日大。残り時間は11分余り。RB佐伯が走ってファーストダウンを更新した。しかし、続く攻撃でWR松尾へのロングパスは通らない。
すると関学大はQB斎藤からWR木下へのパスで前進。さらにパスを受けたWR大園が左サイドを走って敵陣まで大きく攻む。そして、WR梅本へのパスでゴールに迫り、最後は8分43秒、QB斎藤からWR木戸への9ヤードTDパスが決まった。

もう後がない日大。QB高橋は第4ダウンまでパス攻撃を続けるが、カットとサックに遭い、攻撃権を奪われた。関学大はランプレーで時計を進める。そして、試合時間残り2分26秒から日大最後の攻撃。QB高橋が自ら走ってファーストダウンを更新したが、ここで負傷退場となった。QBは西沢に代わる。しかし、再び高橋が登場し、敵陣内を前進。試合時間残り20秒でゴールまで4ヤードに迫った。高橋はパスを続け、試合終了と同時にWR松尾へ意地のTDパスを決めた。大会規定によりTFPは行われず、関学大が23―9で大会3連覇を果たした。

◆池永 今季最強に強い相手だと思っていた。完封したいと思っていたが、今日は点を取られたので90点。でも9点に抑えられたのはディフェンスが一体となれたからだと思う。

◆斎藤 なかなか進まないシリーズもあったが何とか勝てた。去年出たときは何もできなかったのでこの結果を出せて良かった。でも、反省するところは反省していきたい。ライスボウルはこれまで以上に厳しい戦いになるが頑張りたい。

◆鳥内監督 ディフェンスはLB池田雄がいない中でカバーしてくれた。主将の池永がうまいkkやってくれて、ディフェンスが盛り上がった。斎藤圭は京大戦を過ぎてから精神的にも安定してきた。オービックか富士通か分からないが、どちらでも関係ない。今日は残り1ヤードのところでTDが取れなかった。ああいうところで決めきれないと社会人と戦うのはきつい。今のままでは厳しい。うまいこと考えながらやりたい。池永主将が今年は日本一になると宣言しているので、全員で協力して勝てるようにしたい。

【日刊スポーツ 吉池 彰】