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関西学院大が3年連続31度目の優勝! 第75回甲子園ボウル

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News

 社会人王者オービックシーガルズが史上最多8度目の優勝を飾った。
 7年ぶり9度目出場のオービックシーガルズは、3年連続最多14度目の出場で19年ぶり2度目の日本一を目指した関学大ファイターズを、35―18で退けた。

 両チームの対戦は7年ぶり4度目。過去3度はオービックが、2012年38―28、13年21―15、14年34―16で3連勝しており、今回も関学大の雪辱は成らなかった。

 これで社会人は12連勝。対戦成績は社会人の26勝12敗となった。最優秀選手賞には、第3Qに決勝点となる53ヤードのTDパスをキャッチしたオービックのWR野崎貴宏(26=中大)が選ばれた。

間原寛プルデンシャル生命株式会社取締役執行役員常務によるコイントス

【第1クオーター】

 ソウル歌手クリス・ハートさんの国歌独唱後、コイントス。オービックのレシーブで試合が開始された。

 関学大はオンサイドキックでLB都賀がリカバー、自陣48ヤードからの攻撃となった。すると、QB奥野はRB前田を走らせ3ヤード前進した。しかし、続くパスは失敗。WR糸川への12ヤードパスで敵陣37ヤードまで進み、ファーストダウンを獲得した。次のパスはミスも、ここからRB鶴留が中央をすり抜け、27ヤードを走ってファーストダウンを更新。勢いをつかんだ関学大は、直後のプレーでRB前田が右エンドへ走り込み、10ヤードのTDランを決めた。PATキックはブロックされたが、2分31秒、関学大が6点を先制した。

先制TDを挙げた関学大RB26前田

◆オービック大橋誠ヘッドコーチ

 先制はさすが関学さんだと思った。オンサイドを含め、あれをやり切るのは、長く学生チャンピオンをやっている底力があると思った。

 オービックはWR池井がリターンし、自陣41ヤードからの攻撃。QBロックレイからWR前田への17ヤードパスでファーストダウンを獲得した。すると、敵陣42ヤードからRB李が走り、7ヤード進んだ。しかし、続く李のランは関学大ディフェンスに止められてしまう。しかし、第4ダウンギャンブルで李が走り、ファーストダウンを獲得した。そして、ロックレイからWR野崎への24ヤードパスで敵陣8ヤードまで進み、ファーストダウンを更新。すると、RB望月がエンドゾーン中央に走り込み、TDランを決めた。K山崎のPATキックも決まり、5分38秒、オービックが7―6と逆転に成功した。

第1Q5分38秒にTDを挙げたオービックRB43望月

 タッチバックとなって、関学大は自陣25ヤードからの攻撃。すると、RB前田が粘って12ヤードを走り、ファーストダウンを獲得した。さらに、奥野からパスを承けたRB三宅が走り、8ヤード前進。しかし、奥野はさらにラン攻撃を続けるが、前進できない。

 オービックはDL平澤がパントをブロックして抑え、敵陣14ヤードからの攻撃。すると、QBロックレイから、左エンドゾーンへ走り込んだTEハフへのTDパスが、いきなり決まった。PATキックも決まり、8分19秒、オービックが14―6とリードを広げた。

 タッチバックで関学大は自陣25ヤードからの攻撃。奥野の最初のパスは不成功となるも、次のパスを受けたRB三宅が走って、ファーストダウンを獲得した。さらにRB齋藤へのパスで7ヤード進むが、続くワイルドキャットフォーメーションからは1ヤードしか前進できない。ここで負傷者によるタイムアウト後、RB三宅が7ヤード走り、ファーストダウンを獲得した。ボールオンは50ヤード。ここで、奥野からWR鈴木への23ヤードパスが決まる。そして、RB鶴留のランがオービックDL清家にロスタックルされたところで第1Qが終了した。

力強い走りを見せた関学大主将RB39鶴留

【第2クオーター】

 関学大は敵陣28ヤードからの攻撃。RB三宅のランで3ヤード進むと、トリックプレーを見せる。しかし、WR糸川のパスは不成功。続く、第4ダウンギャンブルでのQB奥野のパスも失敗に終わってしまう。

 オービックは自陣25ヤードからの攻撃。QBロックレイのパスは不成功となり、RB李のランも1ヤードしか進めない。しかし、ロックレイからWR池井への16ヤードパスでファーストダウンを獲得した。ところが、RB李のラン、ロックレイのパスでは攻撃は続かない。

 関学大は自陣28ヤードからの攻撃。QB奥野はスクランブルランで3ヤード進むと、RB三宅が10ヤード走り、ファーストダウンを獲得した。しかし、次のランはオービックDL仲里に止められてしまう。そして、奥野からRB鶴留へのパスで自陣46ヤードまで進むが、次のパスはオービックDB砂川にカットされてしまう。

 オービックは自陣14ヤードからの攻撃。すると、RB李の連続ランでファーストダウンを獲得した。さらに、QBロックレイからWR西村への18ヤードパスでファーストダウンを更新。続く李のランが関学大DB竹原に止められるが、WR前田へのパスで6ヤード進む。しかし、続く李のランは関学大ディフェンス陣に止められてしまう。

 オービックの好パントで関学大は自陣8ヤードからの攻撃。RB前田のランで4ヤード進み、前半1回目のタイムアウト後、RB三宅が走るが、ファーストダウンを獲得できない。しかし、ここでワイルドキャットフォーメーションからビッグプレーが飛び出す。RB三宅が左サイドラインを84ヤード独走し、TDランを決めた。しかし、同点を狙った2点コンバージョンのパスは、オービックDL佐藤がブロックして不成功。11分25秒、得点はオービックの14―12に変わった。

 残り30秒で、オービックは自陣29ヤードからの攻撃。QBロックレイのパスは関学大DB山村の圧力で不成功。さらに関学大DL小林がQBサックを決めたところで、前半が終了した。

ハーフタイムショーに登場したクリス・ハートさん。美しい歌声で熱戦に華を添えた

【第3クオーター】

 クリス・ハートさんのハーフタイムショーの後、関学大のレシーブで試合が再開された。

 RB三宅がフェアキャッチし、関学大は自陣25ヤードからの攻撃。QB奥野のパスは不成功、三宅へのパス、WR鳩谷へのパスでも前進できない。

 オービックは自陣37ヤードからの攻撃。QBロックレイからWR前田へのパスで3ヤード進むと、RB李への7ヤードパスでファーストダウンを獲得した。すると続く攻撃でビッグプレーが飛び出す。ロックレイが放った53ヤードTDパスをWR野崎が見事にキャッチ。PATキックも決まり、2分33秒、オービックが21―12とリードを広げた。

第3Q2分33秒にTDを挙げたオービックWR26野崎

◆オービックWR野崎貴宏 練習の時に何十本も練習していた。

1発目に同じパスコースをTDできず、2発目にできて良かった。(オービックには良いWRがそろうが)VTRを見る量を意識しており、同じ人間なので勝てないとは思っていない。ひたすら努力して、こだわっていけば、負ける要素はないと思っている。

 タッチバックで関学大は自陣25ヤードからの攻撃。QB奥野はRB三宅にパスを見せるが、1ヤードロスしてしまう。ここで、関学大はフォルススタートの反則で5ヤード罰退。その後、奥野からWR糸川への7ヤードパスが成功するも、続くプレーで奥野はオービックLB岩本にQBサックされてしまう。

 オービックは敵陣49ヤードからの攻撃で、横から走ってきたWR西村がロックレイからハンドオフを受け、いきなり独走TD。4分53秒、PATキックも決まり、オービックのリードは28―12に変わった。

関学大にプレッシャーを浴びせるオービックDL33仲里

 タッチバックで関学大は自陣25ヤードからの攻撃。QB奥野のパスはWR糸川への7ヤードが決まる。そして、次のパスはオービックDB砂川にカットされるも、WR河原林への7ヤードパスでファーストダウンを獲得した。続くRB三宅のランはオービックDL仲里にロスタックルされるが、奥野から三宅への16ヤードパスでファーストダウンを獲得した。敵陣に入った関学大は、RB前田のランなどで42ヤードまで前進。しかし、RB三宅がオービックLB鈴木にロスタックルされて、攻撃は続かない。

 オービックは自陣20ヤードからの攻撃。しかし、QBロックレイのパスは関学大DB竹原にインターセプトされてしまう。
 関学大は自陣47ヤードからの攻撃。するとQB奥野からWR梅津への23ヤードパスでファーストダウンを獲得した。しかし、RB前田のランで3ヤードロスの後、QB奥野がオービックDL佐藤にサックされてしまう。さらに、次の奥野のパスはオービックDBブロンソンにインターセプトされてしまう。

捕球後のランで23ヤードのゲインを奪った関学大WR梅津

第3Qに2TDパスを決めたオービックQB11ロックレイ

 オービックは自陣32ヤードからの攻撃。しかし、ホールディングの反則で10ヤード罰退。自陣22ヤードからの攻撃となるが、QBロックレイからWR前田への23ヤードパスが決まり、ファーストダウンを獲得した。ここで第3Qが終了した。

【第4クオーター】

 オービックは自陣45ヤードからの攻撃。QBロックレイからWR西村へのパスで6ヤード進むと、続くロングパスは不成功も、西村への7ヤードパスでファーストダウンを獲得した。ボールオンは敵陣42ヤード。ロックレイはWR水野へのTDパスを試みるが、不成功。しかし、続くTEハフへTDパスが決まる。PATキックも決まり、1分41秒、得点はオービックの35―12に変わった。

2TDレシーブの活躍だったオービックTE85ハフ

 タッチバックで関学大は自陣25ヤードからの攻撃。QB奥野の最初パスは失敗、2回目は成功も1ヤードしかゲインできない。しかし、ここで奥野からWR鈴木へ23ヤードのパスが決まり、ファーストダウンを獲得した。さらにWR梅津へのパスで5ヤード進むと、次のプレーでオービックがホールディングの反則。関学大は敵陣36ヤードでファーストダウンを獲得した。さらに、奥野のスクランブルランとキーププレーでファーストダウンを更新。すると、RB鶴留が走り、敵陣13ヤードでファーストダウンを獲得した。続く奥野のパスは不成功も、RB前田が左エンドゾーンまで一気に走り込み、TD。しかし、2点コンバージョンのパスは不成功となり、6分48秒、得点はオービックの35―18となった。

 関学大はオンサイドキックを見せるが、WR西村がカバーし、オービックの攻撃は敵陣46ヤードから。RB地村のランで8ヤード進むと、さらに地村が2度走って敵陣24ヤードでファーストダウンを獲得した。その後のランプレーは連続失敗するも、QBロックレイからWR前田への22ヤードパスでファーストダウンを獲得した。

 そして、ゴール前6ヤードで試合時間は残り14秒となる。オービックのタイムアウト後、RB地村のランが止められたところで試合終了。オービックが7年ぶり8度目の日本一の座を獲得した。

◆オービック大橋誠ヘッドコーチ

何よりもまず、特別なシーズンの中でライスボウルを開催いただいたことに感謝している。1プレーに集中していこうとハーフタイムに話し、後半は爆発力のあるプレーができた。精度面ではまだまだだが、準備してきたものを全部出そうとして、相手のフォーメーションに対して負けないようにはできた。Xリーグの代表として使命を果たすことができた。

オービック大橋HC

◆オービック主将RB地村知樹

 ホッとしている。この1シーズン、自分たちがやってきたことが報われた。関学大には泥臭いフットボールをされ、自分たちも見習いたいと思った。来年以降も自分たちのプレーを続けて、連覇したい。

◆オービックDL仲里広章

 社会人5年目にして、初の日本一になれたのがすごくうれしい。関学大に力があるのは分かっていたが、自分たちのプレーをすれば止められると思っていた。この日本一を2年、3年と続けられるよう、これからも頑張っていきたい。

◆オービックRB李卓

 日本を代表するランナーとして海外に挑戦したかったので、念願の日本一になれて素直にうれしい。会社を辞めて1人で戦っていく気持ちだったが、NFLのインターナショナル・プレーヤー・パスウェー・プログラム(IPP)に選ばれ、多くの人に励まされてできることが分かった。日本のフットボール界を変えるくらいの気持ちでやりたい。NFLのRBでは大きな方ではないので、レシーバーとしてもできるようトレーニングしていきたい。IPPは26歳が最後と聞いているので、今年が最後という覚悟を持って臨む。

◆オービックOL庄島辰尭(米国NCAA1部校で日本人初のOL)

 関学大もしっかり勝ちにきて、それに合わせてしまったシリーズがあった。来年は100%オービックシーガルズのフットボールができるように頑張っていきたい。UCLAではチャレンジャーで、どうやったら信頼されるかとプレーしてきた。それはオービックでも変わらない。オフェンスラインマンは自分の体を犠牲にして守る。これほど誇り高いことはない。

◆関学大・大村和輝監督

 前半はキックオフが決まり、ラッキーな入りだった。オフェンスもワイルドキャットでボールコントロールしながら、1ポゼッション差で、上出来だった。後半は相手の目が慣れてきた。もうちょっと我慢して投げれば良かったが、ラインの差が出ると、ああいう展開になってしまう。1対1の実力差とアジャストミスで失点した。それでも、本気で勝ちに行かねばゲームにならないと思っていて、そのスイッチは入ったと思う。憶さずにプレーできた。来季は1、2年生にポテンシャルの高い選手が多いので、経験を積ませて頑張らせたい。

◆関学大主将RB鶴留輝斗

 詰めの甘さが出た。オフェンスでは流れが良かったものを、自分たちのミスで切っていた。プレーの精度で自滅した。そこまでチームを引き上げられなかったのは自分の責任だと思う。

◆関学大QB奥野耕世

 小学1年生からアメフトをやってきて、ついに終わったかという寂しさはある。16年間やらせてくれた両親に感謝したい。大学4年間はすごく濃い時間を過ごした。それぞれが役割を理解すると結果につながるということをファイターズで学んだ。これを社会に出てからしっかり生かしたい。楽しく、辛かった練習が1番の思い出。試合では、2年生の立命大戦でQBとして何が必要か学んだことを思い出す。今日のTD3本はオフェンスラインの頑張りもあるが、三宅と前田の個人技で運べた。基礎的なものプラス個人技が必要だと思った。

◆関学大RB三宅昂輝

 試合前から目標にしていた独走TDができて良かった。でも、何回か相手のDLにタックルされた。そこでもっと自分の個人技ができたら良かったと思う。ファイターズではアメフトの面だけではなく、人間的に成長できた。それを社会人でも活用していきたい。

スポーツ庁・豊岡宏規・審議官から優勝杯を受け取るオービック主将RB30地村

国吉誠・JAFA会長より日本協会優勝杯を受け取るオービック副将DB1砂川

(日刊スポーツ新聞社 吉池 彰)

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